女性医療におけるトータルヘルスケア〜「女性のミカタプロジェクト」の取り組み〜

更年期と加齢のヘルスケア学会学術集会リポート第五弾、再び太田 博明先生のランチョンセミナーから。

2012年先生が立ち上げた「女性のミカタプロジェクト」について。

治療ニーズは骨粗鬆症と過活動膀胱

女性の心身は女性ホルモンの加護の元にありますが、閉経を機にその加護はなくなり各種の病態や疾患に悩まされています。

このプロジェクトの調査で女性患者さんの治療ニーズは骨粗鬆症と過活動膀胱にあることが判明しました。

骨粗鬆症は症状がない期間が長く、ある日突然骨折してしまう本人が気付きにくい疾患です。

過活動膀胱は診察を受けたいという意欲はありながら診療の敷居が高く、言い出しづらい疾患です。

プロジェクトでは小冊子やホームページなどを使ってチェックを行い、かかりつけの医師に相談しやすい環境を作ったり、悩みを相談できる病医院を探せるようにもなっています。

ロコ・メタ予防チェック

閉経後の女性の40%は腰や足の痛みで、立ったり座ったり階段を上ったりすることに制約を受け不都合を感じています。

しかし、病院を受診することはあっても痛みはあるのに50%は相談しないという調査報告があります。

それは受診している科が痛みの専門ではないから相談出来ないのでは?と考えてしまっている事も一因のようです。

そこで今年からこのプロジェクトでは女性が感じる「運動器の痛み」を取り上げることになりました。

やはりチェックシート(→こちら)にチェックを入れ、かかりつけ医師や近隣医療機関、「女性のミカタ」の病院へ持参し相談できます。

今より1,000歩余計に歩く

プロジェクト調査で約70%の女性が「時間がない」「腰や膝が痛い」「体力に自信がない」などの理由から推奨される歩行時間を満たしていないようです。

痛みをコントロールすることにより1日10分間、あと1,000歩今より余計に歩くことでメタボ・ロコモ、低体力が減り、生活習慣病や特定の癌の予防にも効果があると言われ、生活の質(QOL)を向上させ健康寿命の延伸をもたらすことが期待できます。

10年後も元気な自分でいるために、今から出来ることを始める。病気を早く知る。適切な治療を受けることで重い病気にならないようにする。なども必要なことではないでしょうか。

女性のミカタプロジェクトを詳しく知りたい方は →こちら をご覧ください。