女性と漢方〜葛根湯〜

芍薬の花
芍薬の花

風邪の季節に良く耳にする「葛根湯」。たいへんポピュラーでドラッグストアでも購入可能。

正しい飲み方と案外知られていない使い方、注意点をご紹介。

風邪のひき始めには葛根湯

葛根湯の成分は大きく分けて次の3つの作用を示します。

  • 発汗を促す〜葛根(カッコン)、麻黄(マオウ)、桂皮(ケイヒ)、生姜(ショウキョウ)
  • 筋肉の緊張を緩める〜葛根(カッコン)、芍薬(シャクヤク)
  • 消化を調節する〜大棗(タイソウ)、甘草(カンゾウ)

そのため風邪のひきはじめにみられる寒気や発熱・筋肉痛、頭痛、肩こり、鼻風邪、鼻炎に効果があると言われています。

まだ熱も出ていないけれど、なんとなく「風邪かな?」と感じる状態の時に飲めば、効果はかなり高く出ます。

ひき始めを過ぎてしまい、熱が出たり喉が痛む状態になってしまった時にはあまり向いていません。

飲む時間は食後?食前?

漢方薬はお腹が空いている時のほうが効果が出やすいと言われています。

1日3回忘れないように飲むのでしたら食前30分くらいが良いでしょう。特に食前と決まっているわけではありませんので食間(食事と食事の中間、決して食事中ということではありませんよ!)にい1日3回でも大丈夫です。

食前に飲み忘れてしまえば食後でも効き目がないわけではありません。

肩こり・頭痛で飲むことも

発汗を促す=血行改善なので冷えからくる肩こりや頭痛・腰痛にも効果があります。

直接的に筋肉の緊張を和らげる成分も入っているため肩こり・筋肉痛に処方されることもあります。

頭痛に関連し頭から首にかけての「首こり」にも効果があります。

気をつける飲み合わせ

漢方は安全、副作用はない。と思っている方が多いようですが、漢方にも気をつけなければならない副作用はあります。

  • 麻黄(マオウ)
  • 甘草(カンゾウ)

他にも漢方薬を飲むときはこの二つの取りすぎに注意が必要です。

麻黄には「エフェドリン」という成分が含まれているため、摂り過ぎると交感神経を過剰に刺激、不眠、発汗過多、頻脈、動悸、全身脱力感、精神興奮といった副作用を起こす可能性があります。

甘草には「グリチルリチン」という成分が含まれ、摂り過ぎると血圧上昇やむくみといった症状を起こしたり、筋萎縮や筋力低下といった筋肉障害を引き起こすケースがあります。

 

漢方薬を幾つか飲むときには入っている成分に気をつけ、どうしても複数飲む必要がある場合はかかりつけの先生や薬剤師に相談することをお勧めします。

葛根湯などはむやみに長期で服用せず症状が改善したら中止するのが良いかもしれません。