アウトサイド・インの考え方

今や不健康は寿命だけではなくお若い方の日々の生活にも関係。

特に気持ちの落ち込む春先、心の健康度アップを図るちょっとしたヒントをお伝え。

先週に続き「アウトサイド・イン」の考え方の一つを。

健康寿命とは

2021年における日本の平均寿命は、男性が81.47歳、女性が87.57歳。対して健康寿命は男性72.68歳、女性75.38歳(2019年調べ)。その差は男性では約9年、女性で約12年。

健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されています。

しかし東京都健康長寿医療センター研究所の大渕先生によるとこれは主観的な統計のようで、「あなたは現在、健康上の問題で日常生活に何か影響がありますか」という問いに対し「はい」と回答した結果によるものです。

要介護認定されるほどの身体的障害がなくても、加齢で生じる多少の衰えがあるだけで「不健康」と回答してしまう事が平均寿命と健康寿命に大きな差を生んでしまうのではないでしょうか。

数年前の調査になりますが、東京都が要介護認定のデータを元に不健康基準を「要介護2以上」として算出した不健康な期間は男性2年弱、女性4年弱。よく聞く健康寿命とずいぶん差がありますね。

この差は何から生まれてくるのでしょうか。

大渕先生によると、それは「心の不健康状態」が関係する様です。

主観的健康感のアップの必要性

大渕先生が行った「健康感と要介護の発生状況調査」では「健康だ」と思っている人に対し「不健康だ」と思っている人は要介護発生確率が70倍にもなりました。これは体力を基準に見た場合よりも顕著でした。

主観的健康感(自分は健康だとの自覚)のアップが気持ちだけではなく、実際の健康度をもアップするわけです。

先生が行った「化粧ケアと主観的健康感の維持」の調査では3ヶ月間の自宅での化粧ケアは、参加していない人の健康感との間に統計的有意差を生み出したとの結果を得ました。

「きれいになった」「カッコよくなった(男性)」と声をかけられることが多くなったことで心の健康度が高まったようです。

他にも好きなことを趣味とする、楽しい仲間がいる、ボランティアで生きがいを感じる…などでも健康度がアップするようです。

大渕先生はこのような冊子も作られていて、『お化粧や身だしなみを整えることは気持ちが明るくなり、外出のきっかけづくりによいといわれています。さらに、普段何気なく行っているお化粧が脳を活性化したり筋力を維持したりするトレーニングにもなるという意外な効果もあります。高齢期にこそ、お化粧や身だしなみを整えて元気に外に出かけることが大切です』と考えていらっしゃいます。

気持ちの落ち込んだお若い方や男性も

今は男性基礎化粧品のCMも良く目にし、化粧ケア(身だしなみケア)は女性だけのものではなくなりつつあります。

老若男女に関わらず良い意味での外見を変える事で心の健康度アップ!

化粧のノリが良かったり身だしなみが整ってる自分を鏡で見ると、私は気持ちがシャキッとします。

天気の良い日は外を歩くと可愛い花や鳥の声に癒されます。外から入ってくるいろんな刺激もまた心の健康度アップですよね。

今時期はもう紫外線が強くなってますから十分な対策もお忘れなく。