いろいろあるHRT〜貼付剤

周期的投与に用いられる貼付剤エストラーナ®テープ0.72mg
周期的投与に用いられる貼付剤エストラーナ®テープ0.72mg

HRT(ホルモン補充療法)にはいろいろなタイプがあります。

今日は貼付剤(貼り薬)について。以外と簡単、湿布と同じです。

HRTの行い方

子宮がある人で閉経まもない人や閉経後でも定期的な出血が嫌ではない人は通常の月経のように卵胞ホルモン(エストロゲン)を毎日、後半10〜12日間黄体ホルモンを使用して月経を起こしていきます(周期的投与)

子宮があり閉経後しばらくたっていて「もう出血は嫌だわ」という人にはエストロゲンと黄体ホルモンを毎日使用して月経を起こさないで治療が出来ます(連続的投与)

子宮を切除している人、またはお試しで最初の数ヶ月はエストロゲンのみを使用出来ます(エストロゲン単独投与:ET)

子宮がある人への黄体ホルモン使用の必要性は子宮内膜が厚くなり体がんになるのを防ぐためです。

貼付剤の使用法

周期的投与のエストラーナ®テープは2日に一度の貼り替えです。

連続的投与のメノエイドコンビパッチ®は3〜4日に一度(週2回)の張り替えです。メノエイドコンビパッチ®は冷所保存です。

どちらも貼る部位は下腹部か腰で貼り替えの時はかぶれ防止のため別の場所に貼ることをお勧めします。

貼付剤のメリット・デメリット

メリットとしては、貼付剤は皮膚から吸収され肝臓を通らず血中に入るので肝臓や胃腸が弱い方でも使用でき、安定した少量で効果を得られます。

デメリットは貼布部位の皮膚に痒みやかぶれがみられることもあります。

副作用としては特に使い始めの1~2ヶ月で胃のムカつき、胸の張り、おなかの張り、おりものの増加などの違和感を感じることがあります。こちらは2~3カ月して体が慣れてくればたいていは軽快します。

通常一回に1枚の使用が原則なので副作用回避あるいは容量の調節には2日に1度使用するものを3日に1度など間隔を開けたり、製剤を半分に切ったりしてホルモン量を調整していくことが出来ますが、主治医の先生とお話ししてからにしましょう。

 

案外簡単。早い人では翌日から効果がわかり副作用も少ない貼付剤。

次回は塗り薬です。