管理栄養士である金城学院大学の丸山智美先生のお話です。
よく耳にする「腸内フローラ」
大腸管腔は細菌の生育に最適な場所です。ヒトの腸内には100種以上100兆個の細菌がいます。
最近よく耳にする「腸内フローラ」は細菌がたくさん集まっている状態=細菌叢の状態をいいます。
この細菌叢は年齢とともに変化していきますし、日々の食環境でも変化します。
動物実験では一日中食べ続けると腸内細菌が偏っていくという実験結果が得られたそうです。
高脂肪、高糖分も環境が悪い方向へ向かいます。
ところで、私たちは体の中に大腸菌も飼っています。食中毒の原因にもなるこの菌をどうして飼っていられるのか?
それは腸内にバリア機能があるからなんです。
食物繊維を摂るとこのバリア機能を高める酢酸が作られるため腸内環境には良いようです。
私たちの食生活
さて、現代の私たちの食生活はというとコンビニなどで手軽にお弁当を買えてしまいます。
「いつでも食べられる」=「だらだら食べ」となり、動物実験結果からすると腸内細菌が偏っていく状態となりやすい環境です。
コンビニ弁当は万人が美味しいと感じる味付けをしており、食塩・化学調味料・風味エキス類、そして油が入っています。
油は高脂肪に直結します。
コンビニ弁当が毎日均一の値段で購入できるのは、価格安定で提供できる加工がしやすい均質の食物でエネルギー密度が高いもの(一口食べて程々のエネルギーが摂取できるもの)を使用している事が多いためで、そのような食品は食物繊維が少ないのがほとんどです。
長寿でいるための腸内環境を作るには
このように今の私たちは腸内環境を悪化させる食環境にあるわけで、これから健康に長寿でいるためには
- 食事の時間を決める(だらだら食べない)
- 食事以外の油、見えない油に注意する
- 食物繊維を不足しないように一品そえる
これら3つを考える必要があるようです。