超高齢社会を乗り切るための更年期からの運動習慣

国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所健康増進研究部身体活動評価研究室 室長 澤田亨さんのお話からです。

アジア人は糖尿病になりやすい

近年日本を含むアジアで糖尿病の患者さんが急速に増え、大きな問題となっています。

その原因は食生活の欧米化にあると言われています。

欧米食は高カロリー食が多く、内臓脂肪が蓄積しやすい。

内臓脂肪型肥満の上に運動不足だと、必要なインスリンは通常の数倍にもなります。

しかし、アジア人はもともとの身体の仕組みとして欧米人よりもインスリンを分泌する量が少ない人種です。

つまり、アジア人は軽度の肥満でも糖尿病になりやすいと言えます。

プラス テン(+10)を推奨

2013年の身体活動指針(アクティブガイド)ではプラス テン(+10)ということを推奨しています。

今よりも10分多く身体を動かそう!というものです。

このアクティブガイドとは1996〜2008年まで41万6175人を平均8年追跡調査したもので、身体活動量が上がると死亡率が減少することがわかりました。

運動や身体活動の健康に対する効果についての「知識」は普及しつつあるものの、運動を実際に行っている割合は増えていないのが現状です。

全く何もやらないよりは10分でも動こう!というのが「プラス テン」の考え方です。

激しい運動でなくても大丈夫

必ずしも運動でなくても良いのです。

買い物、洗濯物を干す、通勤、営業の外回り、階段昇降など、日常生活での動きで十分です。

テレビを見てゴロゴロしないで小まめに動くことも良い結果を生みます。

break(立ち上がる)数が多い人は高血圧、糖尿病のリスクが低く寿命が長いという調査結果があります。

 

日常の活動量の低下や運動習慣のない生活はロコモーティブシンドロームへと繋がる以外にも、昔から言われているように高血圧や糖尿病にもなりやすくなるということがわかります。

次回は糖尿病の方へ運動を進める理由を科学的に解説です。