女性における変形性膝関節症の実態とその治療

超高齢社会を乗り切る為にと言うテーマで帝京大学整形外科教授 中川匠先生がお話してくださいました。

軟骨とは

骨と軟骨は違います。焼き鳥でも骨は食べられなくても軟骨は食べられます。弾力があるのが特徴です。

関節は骨と軟骨からできています。関節を作る骨と骨が接する部分は、弾力性がある関節軟骨で覆われていて、骨同士がぶつからないように保護する働きを持っています。

関節軟骨は5㎜位の厚さで骨を覆っています。

体を構成するいろいろな組織の多くには血管が通っていて、酸素や栄養を得ていますが、関節軟骨には血管・神経・リンパ管が通っていません。関節軟骨は、関節を動かすことによって伸びたり縮んだりしますが、その動きによって関節包の内面にある滑膜組織から関節液に栄養や酸素がしみ込むという方法で、栄養や酸素を得ています。

血管がないことで一度傷つくと修復しずらい事にもなります。

膝にかかる重さ

両足立ちで体重の1.07倍、片足立ちで2.59倍、階段では3倍以上の重さが膝にかかると言われています。

このように体重が増えると膝に対する負担は増えるため、膝の悪い方は肥満は大敵です。

変形性膝関節症の初期段階では関節軟骨の磨耗があっても自覚症状があまりありません。

中期になると曲げ伸ばしや立ち上がり・歩行時に痛みが生じ関節炎となります。

さらに進行すると骨同士がぶつかりあい骨そのものが変性してしまい、日常生活に支障を生じる状態となってしまいます。

変形性膝関節症の治療と予防

変形性膝関節症の治療は

  1. エクササイズでウエイトコントロール
  2. 薬、装具、リハビリ
  3. 手術

効果的な予防法は下肢の筋肉、特に膝の周りの筋肉を強化することです。

仰向けに寝て膝をまっすぐに伸ばし床から10㎝ほど持ち上げます。反対の足は膝を立てた状態にすると腰に負担がかかりません。

ももの筋肉の力でかかとを床から10cm上げる。5秒しっかり数えて下ろす。これを左右20回ずつ。1日3セット行うと膝周囲の筋肉の強化となります

 

年齢とともに筋力が落ちるので、なるべく維持するようにしましょう。無理のない運動をすることがオススメ。

そして体重を増やさないようにすることが大切です。