PMS/PMDDの治療法〜サプリメント

2016年発行「産科と婦人科」の特集「月経前症候群・月経前不快気分障害の最新知見」からです。

症状の種類や程度に個人差はありますが、女性の8割が生理前になんらかの不快な症状を感じているようですが、その中で婦人科に通院し治療を行う女性は約1〜2割程度のようです。

サプリメントの今後の展望〜ホルモンバランス調整

多くの女性はハーブ類やミネラル類のサプリメントで手軽に症状の改善・予防を考える女性は多いようですが、効果についての科学的検証されている成分は少ないのが現状のようです。

PDS/PMDDの要因の一つに黄体ホルモンと卵胞ホルモンのバランスがあり、月経前の黄体期と呼ばれる時期にはエストロゲンの過剰作用が問題視されています。

エクオールは身体の中のエストロゲン濃度によって少なければエストロゲン様作用を、過剰であれば抗エストロゲン作用を示すことがわかっています。

従って黄体期の過剰なエストロゲンをエクオールが調節し、PMS/PMDDの症状軽減することは考えられます。

この場合身体の中のエストロゲンの血中濃度は影響を受けず、バランスだけを改善します。

エクオール産生能とPMS、肌荒れ・ニキビ

PMS/PMDDのうち月経前の精神症状の日常生活への影響度とエクオール産生能との関連性調査では、エクオールを産生できない人の45%が日常生活に影響があると回答したのに対し、産生できる人は18%でした。

他の調査でもエクオール産生者はPMS/PMDDのリスクが半分以下との結果が得られました。

月経前の肌荒れ・ニキビで悩む人も、エクオールを産生できる人はできない人の1/6ほどと少ない結果となっています。

エクオールはニキビ発症に関連する男性ホルモン代謝にも関連するとの報告があり、ここでもホルモンバランスを調節しているものと思われます。

ハーブの利尿効果

PMS症状の主なものはイライラ・憂鬱などの「否定的感情」と乳房痛・体重増加などの「水分貯留症状」です。

調査によるとこの「否定的感情」と「水分貯留症状」には相関関係があり、水分貯留症状を軽減することで否定的感情も軽減する可能性があると考えられます。

ハーブ類には利尿作用があるという報告もありますがまだまだ症例は少なく、今後さらに研究検討が必要と思われます。

 

日本人のPMS/PMDDは潜在的で実態が把握できていないのが現状のようです。

更年期の症状についてもですがPMS/PMDDについても実態調査・研究が勧められ、悩んでいる方々が気持ちよく生活できるとよいですね。

こちらは大塚製薬株式会社佐賀栄養製品研究所 上野友美先生の論文をまとめてみました。