月経困難症はいわゆる生理痛。月経時に下腹部痛、腰痛などの痛みを訴え、仕事や学業などの社会生活が困難になる事もあります。子宮内膜症や子宮腺筋症のような器質的疾患が原因で痛みが出る場合も多いようです。
月経困難症はなぜ起きる
月経困難症はPMSと異なり月経の開始とともに下腹部・腰痛などの疼痛とともに頭痛、悪心、嘔吐などの症状が現れ、月経終了後に症状が消失または軽減するものです。
骨盤内に特別な器質的原因がない場合は、月経時に子宮内膜で作られるプロスタグランジンという物質が子宮筋を収縮させる事が腹痛の原因です。
月経困難症の治療
痛みに関しては鎮痛薬や鎮痙剤(けいれんを鎮める薬)や漢方薬も有効です。
他には低用量ピルを飲む事で排卵や子宮内膜が厚くなる事を抑え、プロスタグランジンを抑える事ができます。
低用量ピルは経口避妊薬の中でも用量が少なく、さまざまな副作用を軽減した安全性の高いものです。
月経を定期的にしたり、スケジュールに合わせて調整したりする目的で使用される事もありますが、出血量を減らしたり生理痛を軽くするのにも使われます。
器質的疾患が原因の月経困難症の場合はその治療を行う事が良いでしょう。
月経は必ず月一回でなければならないか
そもそも月経困難症の人にとって月経が来なければ痛みはないわけです。
今まで日本で使用されている低用量ピルは毎月出血を来させるものばかりでしたが、最近3ヶ月に一度の月経で済む低用量ピルが発売になりました。
痛みの元である月経を毎月来ないようにしたわけです。
海外では「月一回の出血がなくても良い」と思う女性も多く、3ヶ月に一度月経を来させるタイプのピルは以前からあります。
ピルを服用している場合、避妊目的や月経不順治療で毎月決まって出血があったほうが安心と言う方以外は、必ず月一回出血を来させる必要はないようで、「月経は28日周期」「毎月出血があるのが良い」と言うわけでもないようです。
この薬の服用をやめると、月経の周期は普通に戻り妊娠などにも差し支えはないという事です。
「自然が一番」と言う声も聞こえそうな内容ですが、痛みの元の出血を毎月来させなくても良いものなら、月経困難症の方にとって嬉しい薬となるのではないでしょうか。