貧血を予防する栄養素は鉄分だけではないのは前回(こちら)もお伝えしたこと。
今回はどんなものに何が多く含まれているか、さらに食べ合わせの一工夫をお伝えします。
ヘム鉄と非ヘム鉄
食品から摂れる鉄には2種類あり、大きな違いは吸収率と含まれる食品です。
ヘム鉄は主に動物性食品に多く含まれ吸収率は単体で15〜25%、非ヘム鉄は主に植物性食品に含まれ単体では吸収率は2〜5%です。ヘム鉄と非ヘム鉄は吸収経路や吸収の特徴が違うので両方とると良いでしょう。
ヘム鉄は豚や鶏のレバー・牛ヒレ肉・牡蠣・あさり・卵などに多く含まれます。
ヘム鉄の場合、色の濃いものの方がヘム鉄を多く含む傾向があるようで、ささみよりはヒレやレバー、カレイよりはさんまやカツオが多く含むようです。
非ヘム鉄はきくらげ・蕎麦・納豆・小松菜・ゴマなどに多く含まれます。
非ヘム鉄も色のついたものの方が多いようで、白米よりは玄米、うどんよりは蕎麦、木綿豆腐よりは高野豆腐や焼き豆腐と言った感じです。食品を選ぶ時の目安にできますね。
身体での鉄分の吸収を左右するもの
非ヘム鉄は単体での吸収率はあまり高くはありませんが、ビタミンC、動物性タンパク質、クエン酸と一緒に摂ると吸収率がアップします。
ビタミンCは野菜・果物・芋類に多く、クエン酸は梅・酢・柑橘類に多く含まれます。
胃酸の分泌を高めると鉄分の吸収もアップするので、クエン酸はここでも効果があります。
食品の組み合わせを工夫すると良いですね。
また、ゆっくりしっかり噛んで楽しく食事をすることも胃酸の分泌を高めます。
逆に吸収を妨げるものにはインスタント食品や加工食品に含まれるリン酸やほうれん草などのアクに含まれるシュウ酸があげられます。
鉄以外の貧血予防栄養素
巨血芽球貧血の場合ビタミンB12や葉酸の欠乏が原因でした。
ビタミンB12は魚や貝・肉・卵・乳製品に、葉酸はレバー・大豆・緑黄色野菜などに多く含まれます。
また他にも銅は鉄とヘモグロビンを結びつける役割があり、桜エビやレバー・納豆などに含まれます。
昔は鉄分といえば「ひじき」でしたが、ひじきの鉄分はその昔鉄鍋で煮ていたためと言うことが近年わかり、ひじきそのものには鉄分はそれほど多くないことがわかってきました。
いつも言うことですが、ここであげた食品だけを摂れば良いというものではなく1日3食バランスよく食べることが身体にとって一番です。