健康に影響する因子

先日「生活習慣病予防のための健康づくり」〜現役世代を対象とした機能改善&生活習慣病予防のためのエクササイズ〜を聞いてきました。

お話は北翔大学生涯スポーツ学部スポーツ教育学科 花井 篤子先生です。

社会環境因子と健康

大変興味深いデータを拝見しました。

一つは「健康に影響する因子」

BMI(体格)や身体活動、飲酒、グッと影響が大きくなるのはやはり喫煙でしたが、喫煙以上にもっとも健康に影響する因子は「人とのつながりが無い・少ない」でした。

もう一つは「心臓発作で入院した高齢者の6ヶ月以内の死亡率」

サポートしてくれる人が0人の場合69%が6ヶ月以内で死亡してしまうというデータですが1人サポーターがいると43%、2人だと26%でした。

また後期高齢者で何らかのスポーツ組織に参加していると情緒的サポートを受けられる割合が高く、うつの割合が低いと言うデータもありました。

今までは健康づくりといえば「運動」「食事」「休養」と言われていましたがさらに「社会」との関わりも健康には重要のようです。

何故運動を勧めるのか

私たちの身体は地球上では常に重力の影響を受けています。

そのため常に抗重力筋が働いていますが、筋肉は使わないと機能低下していきます。

身体の不活動は筋力の低下だけではなく、骨密度の低下、尿路結石、バランス能力の低下など様々要素を著しく低下させるため運動する必要があるわけです。

運動だけで痩せるのは限界がある

体重50㎏の人が1㎏減量しようとするとエネルギー消費量は7000Kcal。

ウォーキングは150Kcal/時間(体重50㎏)約47時間かかる計算です。

減量のポイントは食事のコントロールと運動継続が鍵です。

では運動は何をどれくらいやったら良いのか?

2013年国は身体活動量の新基準を打ち出し18〜64歳では3メッツ以上の強度の身体活動を毎日60分としました。

メッツ(METS)は身体活動の強さを安静時の何倍に相当するかで表す単位で、座位安静が1METSです。

ウォーキングは3メッツ、スクワットは3.5メッツ、階段を登るのは6メッツにもなります。

エネルギー消費量の計算は1.05×メッツ×時間×体重(㎏)となります。

先ほどの身体活動量新基準をウォーキングで賄おうとすると女性では1日8,300歩必要となります。

 

何か運動を行わなくとも日常の活動量を増やすことでエネルギーを消費できます。

エレベーターやエスカレーターを使わず階段を使う、駅は一駅分歩く、トイレに行ったらスクワットしてみる、座ってばかりなら時々立ち上がりストレッチをする(2.3メッツ)…など小まめに日常生活の活動量を増やすのが良いのではないでしょうか。