漢方から見る更年期①

前回の「漢方のキホン」で流派が複数有る事はお伝えしました。

今回学んだの講座の考え方がシンプルでわかりやすかったので、この流派から見る更年期の漢方をお伝えしていきます。

今日はまず、6つの体質についてお伝えします。

気(き)・血(けつ)・水(すい)

この三つは不調の原因となるものです。

「気」は生命エネルギー、「血」は栄養素を与えるもの主に血液、「水」は体液全般に相当します。

加齢やストレス、生活の乱れなど外部環境によって、これら三つがさらに「足りない=虚」か「巡っていない=滞」のどちらかに分類され全部で6つに分かれます。

気虚・気滞

エネルギー不足の「気虚」は新陳代謝が低く、手足が冷えたりお腹が弱かったり。病気に対するバリアが弱いので風邪を弾きやすかったりします。お腹が弱いので食べ物の消化・吸収機能が弱くそれも気の不足に繋がるようです。

気のめぐりが悪い「気滞」は気分が沈む、イライラなどの精神的症状、喉のつかえや咳払い、げっぷやおならなどの消化器症状、激しい耳鳴りや片頭痛、突発性難聴などの症状があります。

ストレスなどで気をコントロールする機能が乱れているのが原因。

「気」と「血」は一緒に体内を巡ると言われ、放っておくと「血」の巡りまで悪くなります。

血虚・瘀血(おけつ)

血が足りないまたは質が悪い「血虚」の人はめまいや立ちくらみ、疲れやすい、月経量が少なかったり不順であったりします。

不眠、眠りが浅いなどもあります。

偏食や単調な食生活で栄養素が不足している場合や、妊娠・出産・加齢による消化吸収力の低下が考えられます。

血の巡りの悪い「瘀血」は顔色が暗かったり、くすみ・シミが見られる、月経血が黒ずむ・塊が混じる、肩や首筋が凝ったり、目の下にクマができるなどが見られます。

冷えや過労、加齢、運動不足、不摂生も原因として考えられますが、放っておくと循環器系のトラブル(コレステロール、中性脂肪、血糖などの上昇、高血圧など)が出やすくなります。

陰虚(いんきょ)・痰湿(たんしつ)

体の潤い不足の「陰虚」は唇や口、喉の乾燥、手足のほてり、寝汗、イライラなどが見られます。水分が不足し発熱してるわけです。そのため寝つきが悪かったり、すぐ目が覚める、習慣性の便秘だったり、月経過少や不正出血が見られる事もあるようです。

余分な水分が溜まっている「痰湿」はむくみやすく尿の出が悪い、重だるい、ベトっとした便が続くなどが見られます。

暴飲暴食でうまく消化・吸収・排泄できず溜まった事が原因になる場合もあります。