漢方から見る更年期②

前回の体質のうち更年期女性は「気滞」「血虚」「瘀血」になりやすいと考えられています。

それぞれに合う女性の3大漢方についてお伝えします。

気滞に「加味逍遙散(かみしょうようさん)」

「気」と「血」は一緒に体内を巡る、と前回お伝えしましたが、血液が少なくなる事で一緒に巡る「血」が無いため「気」が余っている状態。これが気の滞りになるようです。

『加味逍遙散』は「血」不足を補い血行を改善し、余っている「気」を動かしバランスをとる漢方が含まれています。

このタイプのイライラは「血」不足によるものなんです。

気の滞りで血の巡りも悪くなら無いように水分を循環させる漢方も含まれています。

血虚に「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」

月経が遅れるなどの不順がある「血」不足。こんな人は顔色が青白く手足が冷えやすいタイプ。

全身に栄養と血行を促す必要があります。

体力をつける「地黄」、血を補う「芍薬」、血行を改善「当帰・川芎」、他に水分を代謝させるなどの漢方が入った『当帰芍薬散』が処方される事が多いようです。

「血」不足は余分な水分がある場合も多いため、それらを取り除くために水分代謝に効果のある漢方が3つも含まれています。

瘀血に「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」

血の滞りが顕著な瘀血。極端な肩こりや首こりも特徴です。

血行不良のため冷えもあります。このような人は運動をして血流改善するのも良いと思います。

こんな人には『桂枝茯苓丸』が効果的なようです。

余分な水分はないので水分コントロールは少なく2つ、栄養も行き渡っているので「地黄」も入っていません。

 

今日ご紹介の3つの漢方薬はドラッグストアなどでも購入できるものです。

今までどの漢方が合うのかよくわからなかった方も、今回の内容でなんとなくご自身のタイプが分かれば選びやすくなるのではないでしょうか。

今回の女性の3大漢方薬は多くの女性が当てはまるものですが、必ずしもこの3つに当てはまるわけではありません。

そんな時はいくつも飲まず、漢方専門薬局で症状を伝え、合った生薬をブレンドした漢方薬を一つ選んで貰うのが大切です。