月経困難症の漢方

OTC医薬品と言ってドラッグストアで購入できる医薬品には漢方薬もあります。

今日はドラッグストアで買える月経困難症の漢方薬。

漢方の考えでは

以前もコラムにしましたが(こちら)漢方の基本的考えは「気」「血(けつ)」「水(すい)」の三つです。

月経困難症も「血」が滞ってる、余分な「水」が有って「血」が不足している、一緒に動くはずの「気」と「血」がバラバラで「気」が滞ってる…などなどの考え方によって腹痛や頭痛、イライラ、のぼせなどに対処するものです。

月経困難症には、一般的によく知られている女性の三大漢方薬(当帰芍薬散、加味逍遙散、桂枝茯苓丸)とは別の漢方薬が効果がある場合があります。

それぞれの生薬の役割

漢方薬は生薬をいくつか配合した薬です。それぞれに強みや役割があるんですね。

全てに当てはまるわけではありませんが「桃仁」が含まれているものは「月経痛」に効果が高いようです。

アミグダリンを含むので消炎鎮痛作用が有るんですね。

「月経不順」の人は余分な水分が多く「血」不足となり生理が遅れる事がありますから余分な水分を取り除く事を考えます。

「川芎(せんきゅう)」が含まれている漢方薬は水分コントロールをしてくれます。

「川」の字が流れを感じさせますよね。

また「当帰(とうき)」や「牡丹皮(ぼたんぴ)」は血行を改善、「芍薬」は補血(「血」を補う)役割があり月経不順に効果があります。

「桂皮」も鎮痛効果が有ると言われ、また停滞を促す役割も有るので月経困難症の適応漢方薬には含まれる事が多くあります。

「生姜(しょうきょう)」や「大棗(たいそう)」は身体を温める役割があり、体力虚弱の人はこう言ったものを含む漢方が体質に合うかもしれません。

月経困難症の漢方薬

以上の事柄などから月経痛がある比較的体力のある月経不順の人には

  • 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
  • 折衝飲(せっしょういん)
  • 大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)

体力虚弱の月経痛、月経不順の人には

  • 当帰建中湯(とうきけんちゅうとう)

のぼせやイライラ・不安などの気持ちの症状が有る人には

  • 温経湯(うんけいとう)
  • 温清飲(うんせいいん)
  • 加味逍遙散(かみしょうようさん)

他に食欲不振や寒気、発熱、頭痛、膨満感、疲れやすいなど体力虚弱で神経過敏で気持ちが落ち込みやすいなどと言う人の月経困難症には

  • 香蘇散(こうそさん)

などが良いのではないでしょうか。

気をつける事もある

漢方薬は症状に合わせて「一つ」服用するものです。

あの症状もこの症状もあるからと二つ三つ合わせて飲むと「甘草(かんぞう)」という成分が重なってしまう事があります。

この「甘草」、他のたくさんの成分の仲を執り持つ「仲介役」とも言え多くの漢方薬に入っています。

漢方でも「副作用がない」と言う事はありません。

気軽に買えるものになってきていますが、症状や飲み合わせなどを薬剤師に聞いてみる事が大事です。