大人の発達障害

10/20(土)市民公開講座に行って来ました。お話は平松記念病院 傳田 健三先生。

更年期や女性の健康とは全く関係ありませんが、ちょっと興味があったので。

こんな事で困っていませんか?

片付け、コミュニケーション、大勢の中での雑談、マルチタスク(複数の作業を同時にもしくは短期間に並行して切り替えながら実行すること)などが苦手、こだわりが強い、忘れ物・忘れ事が多い…。

こんな事は「誰にでもある事」に思えるけれど、

もし、こうしたことが「いつも」「しばしば」起きていて、

実は子供の頃からこうした事があったとしたら、

そして自分なりに必死で努力してもどうしてもうまくいかず、

常に「生きづらさ」を感じていたら、

それは努力不足なのではなく、生まれつき持っているはったるのアンバランス「発達障害」が関係している可能性があるかもしれません。(傳田先生より)

発達障害とは何?

生まれ持った発達上の個性(特性)がある事で、その原因は脳機能の発達のアンバランスさ、能力の凸凹が大きいために起こります。この個性(症状)のために日常生活に支障・障害がある事が「発達障害」です。

発達障害は大きく分けて3つ。

  • ASD(自閉スペクトラム症)
  • ADHD(注意欠陥多動性障害)
  • その他(知的障害、学習障害など)

ASDの特徴

自閉症やアスペルガー障害などがこれにあたり、次の3つが特徴です。

  • 他人への関心が乏しい、人の気持ちを理解するのが苦手(社会性の障害)
  • 人の表情やばの空気を読めず本音を言ってしまう、冗談がわからない、適当がわからない(コミュニケーションの障害)
  • いつもと違う事が起きるとパニックを起こす、音や光などの感覚過敏(こだわり・固執)

1988年公開のアメリカ映画「レインマン」はASDの特徴的症状が描かれている作品となっています。

健常な人の中にも多かれ少なかれその徴候を持っています。こだわりが強い人や片付けが苦手という人は結構います。それが強いか弱いか、発達の障害なのか個性なのか、グレーゾーンの人もたくさんいるという事。

また、どこからが病気だという境目は無く連続的で有りそれぞれが重なり合う部分も持っているという事です。

ADHDの特徴

  • 忘れ物が多い、物をよく無くす、書類の提出期限が守れない(集中力の欠如)
  • 喋りすぎる、落ち着きがない(多動)
  • 考えずに行動する、順番を待てない(衝動性)

このため読み書き・計算が苦手、感情をコントロール出来ないといった症状や、片付けが苦手で家はゴミだらけといった人もADHDの可能性が考えられます。注意の集中が苦手な人が多いですが逆に「集中しすぎる」という症状の人もいます。

大人になって初めて受診

本来、発達障害は幼児期から小児期に最も強く現れるものですが、大人になるまで受診しなかったのは成績が良かったり、しっかり者の両親がカバーしてたり、許容してくれる環境がある場合が多い様です。

大人になり社会に出て一人になった時、生きづらさを感じ受診するのではないかと先生はお話しされます。

治療法としては、同じ状態の人と話す事で自分の気持ちや考えをスムーズに口に出す事ができる様になりコミュニケーションが取れる様になる、というものも有ります。

睡眠障害(特に過眠症)の中にはADHD、 ASDの人がいる事がわかって来ています。

また、発達障害の人は鬱や不安障害などの二次障害へと移行する人もいるので、「もしかしたら…」と思う方は専門医を受診すると良いと思います。

飲み薬によって症状が改善し、社会生活がスムーズに行える様になる(遅刻しなくな流、優先順位をつけられる様になるなど)事もわかっています。

冒頭でも書きましたが、努力してもどうしてもうまくいかない人は治療するとビックリするほど楽になる事があるかもしれません。

あんな人もこんな人も

先程ご紹介の「レインマン」に出演しているトム・クルーズも実は字が読めない・書けない学習障害の発達障害です。

彼は台詞を読んでもらって耳で覚えるんだそうです。

日本では、国民的タレント黒柳徹子さん。

トーマス・エジソンやアルベルト・アインシュタインなどの偉人もADHDだったのではという説もある様で、個性的な“脳の特性”は人並み外れた才能になる人もたくさんいるんです。