乳がん検診とセルフチェック

乳がんに罹る割合が高くなるのは40歳を過ぎてから。

乳がん検診ではどんな事をするのか、またセルフチェックとはどの様なものかをお伝えします。

乳がんの発症ピークは40〜50歳代

年々多くなっている乳がんの発症率。2018年の国立がん研究センターがん対策情報センターの調べによると11人に一人の割合で罹っている事になります。

乳がんの発症ピークは40歳代後半から50歳代前半。

40歳を過ぎたら2年に一度、乳がん検診を受けることが国の指針で勧められています。

次の様な人は40歳よりも早めに人間ドックを開始しても良いでしょう。

  • 家族に乳がんや卵巣がんになった事がある人がいる
  • 良性乳腺疾患がある
  • 長期間ピルを使用している

ただし国では自治体による乳がん検診対象年齢を40歳以上としているため、20〜30歳代の方は自己負担となります。

乳がん検診にはメリット・デメリットがある

「乳がんによる死亡率の減少」「病気ではないという安心感」というメリットがある反面、

  • マンモグラフィー検査による発がん率アップの可能性
  • 「がんの可能性あり」と診断された時または精密検査の結果「がん」でなかった場合(偽陽性)でも受ける精神的苦痛
  • 生命に影響しない乳がんの発見による過剰検査・過剰診断

などデメリットがあるのも確かです。

乳がんの家族歴の無い若い方が毎年マンモグラフィー検査を受ける事は不必要な事です。

メリット・デメリットのバランスを知る事が重要です。

でも30歳代でもなる人はいる…

20歳を過ぎたら月に一回、見て触って自己検診(セルフチェック)を行いましょう。

乳房の小さな変化に敏感になるには普段から自分の乳房を知っておく事が必要です。

お風呂に入る前に鏡で観察したり、入浴時素手で乳房を洗うなどしていつもの乳房の状態を覚えておきましょう。

月一回のセルフチェック時期は乳房が柔らかい時月経開始5日目〜1週間が最適です。

 

【目で見るチェック】

腕を高く上げ頭の後ろで組み、ひきつれ、くぼみ、皮膚の変色、乳房の大きさや一の左右差などを観察。

腕を腰に当ててしこりやくぼみをチェック。

【手で触るチェック】

左乳房は右手で、右乳房は左手で行う。

腕を上げ、反対の手の親指以外の4本の指を揃え指の腹と肋骨で乳房を挟む様にして10円玉大の「の」の字を描くように小さく指を動かしながらチェック。

骨以外の硬いものが手に触れないかを確認する。

乳房や乳首を指先で絞るようにして、乳首から分泌物が出ないかを調べる。

お風呂場で手に石鹸をつけた時行うと手の滑りも良くやりやすいです。

 

もし、違和感や硬いしこりを発見したらすぐ乳腺外科を受診してください。怖がって受診しなかったり、次の検診まで待つことの無いように。

手に触れてわかる程度ならまだ早期と言えますが、放置しておくと一年で急に大きくなります。そうなると難しい大きさになってしまう場合もあります。

今までセルフチェックを行った事が無い人も多いでしょう。まずは普段の自分の乳房を知っておくことから始めましょう。