更年期からの筋トレと有酸素運動

10/27に開催された「日本更年期と加齢のヘルスケア学会 学術集会」ではオプティマルヘルスを目指すためにたくさんの講演が行われました。

今日は日本メディカルトレーニングセンター リソルクリニック 稲次潤子先生のお話「筋トレと有酸素運動どっち?」より。

座位行為を減らす

結論から言うと「筋トレ」と「有酸素運動」どちらも大事です。(稲次先生談)

日本人は運動云々の前にまず日常生活の座位行為を減らす事がロコモ予防になります。

さらにメタボ予防にも座位行為を減らす事は重要で、高血圧のガイドラインにもロコモやフレイル予防が組み込まれ、健康維持には座りっぱなしの生活は良くない!と言う事です。

スポーツ庁のWeb広報マガジンにわかりやすいページが有りましたのでご紹介 →こちら

「座り過ぎは喫煙や飲酒と同じように体に悪い?」

「日常の中で”動く”ことを意識しよう!」

「座り過ぎはメンタルヘルスにも悪影響が」

などの見出しが有ります。中ではオフィスで出来る取り組みなども書いてあるのでぜひ参考に。

まず運動ができる身体作りから始めなければ

「BMI(肥満度を示す体格指数)の変化を見る限り内臓脂肪やメタボを注意しなければならないのは男性であり、女性は若い年代層から順に体重を減らす方向に向かっている」と稲次先生。

さらに稲次先生によると「幼少期から運動習慣の少ない女性の体重低下は多かれ少なかれ筋量低下・筋力低下が伴う。若いうちは日常生活に支障が出ることはないが、この先加齢に伴いますます筋量や筋力が低下は深刻となってくる」

何故なら日常生活活動を支え、QOL(生活の質)に直結した筋肉(姿勢を維持する姿勢支持筋や抗重力筋)ほど加齢の影響で衰えやすく、日常生活に支障が出る危険性が大きいからです。

運動習慣のない女性はまず運動ができる身体作りから始める事が必要です。

いきなりの激しい運動は疲労感の増強や身体を痛める原因となり、ますます運動から遠ざかる原因となってしまいます。

筋肉量の低下は代謝を低下させます。

体重の増加や冷え、免疫力の低下など40歳以降の女性の深刻な問題は筋肉量の低下が原因となっている可能性も考えられます。

有酸素運動してるから大丈夫⁈

稲次先生によると

  • ストレッチ〜筋温上昇時に週2〜3回程度、1回2〜4セット
  • 有酸素運動〜週3〜5回以上出来るだけまとめて行う
  • 筋トレ〜筋肉の減少を抑えるために出来るだけまとめて週2〜3回

と言うことです。

大事なのは有酸素運動(ウォーキングやエアロビクスなど)をやっているから大丈夫、と思わない事です。

有酸素運動は強度が低〜中程度の運動を長時間行う運動で有り、これだけでは筋肉は維持できません。

瞬間的に強い力が必要な無酸素運動と組み合わせる事で効果が出ます。

ある程度の負荷がかかる筋力トレーニングを取り入れ続ける事が重要です。

そして一度付いた筋肉もトレーニングを中断すると落ちていきます。

更年期からの女性だけではなく若い女性も、筋トレと有酸素運動どちらも重要だという事を理解し、年齢を重ねての日常生活の自立を目標にしたいものです。