トマトでヘルシーダイエット

2019年10月に行われた更年期と加齢のヘルスケア学会学術集会より、東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 女性健康医学講座 寺内公一教授のお話を元に。

無塩トマトジュースの飲用が血清トリグリセリド高値を改善

東京医科歯科大学の廣瀬 明日香氏らは、研究によりトマトジュースの摂取は更年期女性の不安などの更年期症状を緩和し、安静時エネルギー消費量・心拍数を増加させ、高トリグリセリド(TG)(150mg/dL以上)の血清TG値を低下させることを、明らかにしました(Nutrition journal誌2015年4月号報告)

対象は少なくとも1つ以上の更年期症状を持つ40~60歳の女性95人。

参加者は、試験開始前の2週間および試験期間中(トマトジュースを摂取する8週間)はトマトが豊富な食品や飲料の摂取を控え、無塩のトマトジュース200mLを1日2回、8週間摂取。

93人の女性(98%)が試験を完了し、更年期症状スケールスコアがが有意に改善。

また、測定前トリグリセリド(TG:中性脂肪)高値(150mg/dL以上)であったグループ22人で血清TG値が有意に低下という結果を得ています。

トマト中には脂質代謝異常改善に有効な成分がある

すでに2012年、京都大学大学院農学研究科食品機能学の河田照雄教授の研究陣が肥満マウスを使用しトマト中の13-oxo-ODA (13-oxo-9,11-octadecadienoic acid)が脂肪肝や高脂血症などの脂質代謝異常の改善に有効である、との結果を発表しています。

((財)かずさDNA研究所、(株)日本デルモンテ、千葉県農林総合研究センターとの共同研究、2012年2月10日付けの米国のオンライン科学誌 PLoS ONE)

また、成熟トマトに多く含まれるエスクレオシドAは、骨粗鬆症予防や抗腫瘍効果などが期待されているほか、マウス実験ではコレステロールの低下に有効(善玉コレステロールを減らさずに悪玉だけを減らす)である可能性が示唆されています。

 

他にも良い効果があるトマト

他にも健康効果が期待できる成分がたくさん入ってるトマト。

リコピンには抗酸化作用、善玉コレステロールを増やすなどの健康効果が期待されます。

またGABA(γ-アミノ酪酸)は体内で神経伝達物質として働き、ストレスを和らげて脳の興奮を鎮める効果があるとされて、身体をリラックスさせる働きがあるため安眠や血圧低下にも役立つことが確認されています。

リコピンは細胞を壊す熱を加えるなどすると出て来やすくなって吸収がよくなるようです。

またGABAも少し工夫する事で健康効果が期待できる量まで増やす事が可能のようです(こちら

「トマトが赤くなると医者が青くなる」など医者いらずと言われるトマト。

緑色の未熟トマトには有毒トマチンが含まれてますが,果実が登熟するにつれてトマチンは減少し無毒のエスクレオシドAが蓄積。

これにより私達は美味しくトマトを食べる事ができ、トマトにとっては種子が成熟する前に食べられるのを防いでいるようです。

適量摂る事が大事

野菜のトマトは食べる量にも限度が有るでしょうが、ジュースは結構飲めるかも知れません。

しかし普通のトマトジュースであれば「食塩」が入っているため摂り過ぎは塩分過剰となります。

またカリウムも含まれるため腎臓病の方、腎臓が弱っている方の摂り過ぎは危険です。

飲むなら無塩がお勧め、1日コップ2杯程度が目安となるでしょう。

生で食べる事もお勧め。もちろん真っ赤に熟した物が美味しいし健康成分もタップリですね。